
・本は全部読んだほうが、内容を理解できるし記憶にも残る?
・「遅読家のための読書術」の感想を知りたい
この記事ではこうした疑問に答えていきます。
この記事を書いている私は、「時間がかかっても隅から隅まで本を読んでしまう」タイプでした。
これまで何冊かの読書術や速読法の本を読んできましたが、読書のスピードや記憶に定着する実感がはほとんど得られずに悩んでいました。
ですが、「遅読家のための読書術」を読んだあとでは、読書に対する考え方が大きく変わり、ビジネス書1冊の読書にかかる時間が半分以下になりました。
「遅読家のための読書術」はよくある技術としての速読本ではありません。
今の世に合う、読書に対する考え方や本の読み方について具体的な方法が書いてあります。
この記事では、私が読んで特に印象に残った部分を抜粋して紹介していきます。
目次
「遅読家のための読書術」の基本情報
最初に「遅読家のための読書術」の基本情報について紹介していきます。
著者のプロフィール
1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。「ライフハッカー[日本版]」「ニューズウィーク日本版」「WEBRONZA」「WANI BOOKOUT」などで連載を持つほか、「ダ・ヴィンチ」など紙媒体にも寄稿。『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(ダイヤモンド社)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)、『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)など著作多数。
筆者の印南さんはたくさんの雑誌に書評を投稿しており、年間で700冊の本を読まれています。
ただ、最初から本を読むのが速かったわけではなく、以前は1ページ読むのに5分かかっていた印南さんがたどり着いた読書術なので、より信用できます。
「遅読家のための読書術」目次
目次を見て分かるように、読書術を「なぜ実践するのか」という根拠や読書法にとどまらず、本の選び方や管理方法まで書かれています。
「遅読家のための読書術」は本を読むことは好きだけど、
- 本を読むのが遅い
- ビジネス書をバンバン読んで血肉にしたい
- 読んでもすぐにほとんど忘れてしまう
といった、悩みを持っている人にはかなりオススメできる本となっています。
この記事では、本の概要や著者について、私が本書で特に気になった箇所を紹介していきます。
「遅読家のための読書術」印象に残ったポイント
ここでは「遅読家のための読書術」を読んで、私が特に印象に残った、心にインパクトのあった箇所を紹介していきます。
ここを読んでもらうと、より一層本書の魅力が伝わると思います。
「その一冊」を読んだのは「その一行」に出会うため
私がこの本を読んで最も印象に残った言葉は、第一章の見出しの一つになっていた、上記の言葉です。
読書というのは最初から最後まで漏れなく読み込むことで、筆者の考えをより理解でき、記憶にも定着しやすいと思っていました。
ですが、どれだけ丁寧に本を読んでもしばらくすれば、覚えている・記憶に残っている文章は一行ぐらい。。。
下手すれば全部読んだのに、数年経ったら読んだことすら忘れてしまう本もありました。
ですが、本を読んでその「一行に」出会えればいい。
こういい切ってもらえたことで、これからの読書がますます楽しみになるであろう期待に心が踊りました。
速読術というより、「正しい流し読み」
本書に書いてあることは、まさにこの通りで、「速読術=正しい読み方」ではないということ。
- パラパラとページをめくるような速読術を覚えたいわけではない
- 今よりも早く、要領よく本を読みたい
そんな人は、速読術よりも「正しい読み方」を知るべきであって、まさに本書にはその方法が具体的に書いてあります。
読むスピードと理解度・記憶は、まったく比例しないということ。
私は本の内容をなるべく自分のなかに落とし込みたいと思い、「ゆっくり・丁寧に」本を読んでいました。
ですが結局それほど自分の中には定着せず。
体験からなんとなくそんな気はしていたものの、読むスピードは理解度や記憶にまったく影響しない。
この事実を知ることができただけでも、読書のスピードが上る人も多いのではないでしょうか。
簡単にいえば、フロー・リーディングとは、「その本に書かれた内容が、自分の内部を、”流れていく”ことに価値を見出す読書法」です。
私は本を読むのであれば、自分の中にストックして(貯めて)いかないと意味がないと思っていました。
この考えを根本から覆すのが「フロー・リーディング」という読書法。
情報過多のいまの世の中において、あらゆることを自分の中にストックしていくのはそもそも無理があったということです。
読書をすることで本の内容を自分に流していく、記憶よりも記録に残すことに重点を置いたのがフロー・リーディングという読書法です。
1時間ですばやく読んだほうが、本のポイントがしっかりと記憶に残っていることが多いのです。
自分が知りたいポイントを見つけて、一時間で一気に読み進めたほうが記憶に残ることが多いというのも、言われてみれば、そうかもなと納得しました。
最初から最後まで一定のスピードでまんべんなく読んでいくと、「自分にとって大事だったポイント」が霞んでしまいます。
(自分にとって大事だった)一本の木が、森の中に隠れてしまうようなイメージです。
こうした結果を回避するためにも、時間とポイントを絞って読むことが重要となります。
本を気軽に開き、気軽に読みはじめられないのは、「その本を読むことによってなにを得たいか」がはっきり決まっていないからです。
興味があるから買った本でも、「その本から自分はなにを一番得たいのか」がハッキリしていないと、時間を掛けてすべて読みたくなります。
まとまった時間が確保できそうにないと、本を開くのが億劫になるという人も多いのではないでしょうか。
「その本を読むことで何を得たいか」がハッキリすれば、自分が知りたいところがどこにあるかを探してそこを中心に読んでいくことができ、時間も短縮できます。
「遅読家のための読書術」は気になったら迷わず読んでおこう
私は「遅読家のための読書術」を読んだことで読書に対する考え方が大きく変わりました。
これまでの「一言一句漏らすことなく、可能な限り覚える」読書法から、「読む目的をハッキリさせ、読むべきところを読む」読書法にシフトできました。
ビジネス書1冊を読む時間が短くできれば、もちろん読む本を増やすこともできますが、読書以外の方法での自己研鑽にも時間を使えるようになります。
この記事では、具体的な読書術についての引用はあえて避けています。
具体的な読書術が知りたすぎるという人や、今の読書法にすこしでも不満がある方は「遅読家のための読書術」をぜひ読んでみてくださいね。