
・共働きで住宅ローンを組む際に気をつけることはある?
この記事ではこうした疑問に答えていきます。
この記事を書いている私は、フルタイム共働きで2児の父、金融機関での勤務経験がある2級FP技能士です。
・共働き世帯が住宅ローンを組む際の注意点
・「10年以内に返せる」金額で家を建てたわが家の理由
この記事を読むと、共働き世帯の住宅ローンを組み方やメリット・デメリットなどが分かり、より正しい判断ができるようになります。
住宅ローンは長期で借りる人がほとんどですよね。
決して勢いで、ハウスメーカーや銀行員に言われた情報を鵜呑みにして決断するものではありません。
この記事を読み終えたあとも、「本当にそうかな?」「ウチの場合はどうかな?」と、考えを止めないようにして、それぞれの家庭にあった決断をしてくださいね。
共働きでマイホームを考えている人や、賃貸と迷っている人などは、気になるところだけでも見ていってくださいね〜。
目次
共働き世帯の住宅ローンの組み方3パターン
共働き世帯が住宅ローンを組むのであれば、主に3つの方法があります。
それぞれのメリット・デメリットまでしっかりと把握しておきましょう。
家族の考えに合わない借入方法を選んでしまうと、住宅ローンに縛られた人生を送ることになるかもしれません。
共働き世帯の住宅ローンに組み方は以下の3パターンです。
・夫婦の一人が債務者に、もう一人が連帯保証人に(収入合算)
・夫婦ともに債務者(連帯債務者)
それぞれのメリット・デメリット、向いてる家庭について解説していきます。
夫婦のどちらか一人が債務者
夫か妻どちらか1人が住宅ローンを借りるパターンです。
・返済計画が立てやすく、維持しやすい
・繰り上げ返済で住宅ローンを早期完済できる可能性がある
・完済まで現在の世帯水準を維持できるか分からない
主債務者と連帯保証人(収入合算)
夫か妻のどちらかが債務者、もう1人は連帯保証人になることで収入合算ができます。
・収入合算することで、借入金額が増える
・債務者は一人なので手数料や諸費用も一人分で済む
・連帯保証人が亡くなったり、収入が減っても返済額は変わらない
・住宅ローン控除やすまい給付金は1人分しか利用できない
・収入や健康状態で借り換えが難しくなることも
・借入金額を増やしたい人
・手数料や諸費用は増やしたくない人
夫婦ともに債務者(連帯債務者、ペアローン)
夫婦二人とも債務者となり2本の住宅ローンを組むパターン。
・借入可能金額が増える
・住宅ローン控除、すまい給付金が2人分利用できる
・2人とも団信に加入が条件
・契約ごとに金利タイプを決めることができる
・手数料、諸経費が2人分
・基本的にどちらかが亡くなっても、自分の返済はそのまま続く
・一人の契約や、収入合算では希望金額に届かない
・夫婦ともに完済までいまの年収水準を維持できる
連帯債務(ペアローン)は取り扱っていない金融機関もあります。
私が金融機関で働いていたときも、共働き家庭は「債務者と連帯保証人(収入合算)」のパターンで住宅ローンを組む人が多かったです。
【目標は10年で完済】共働き世帯の住宅ローンの組み方と注意点
「住宅ローンは10年で返す」を選んだわが家の理由について紹介していきます。
共働きで35年の住宅ローンを組めば相当な額を借り入れすることができますよね。
ですが、わが家は10年以内で返せる金額しか借りませんでした。
実は、共働きで住宅ローンを組む際に見落としがちなポイントがあるんです。
・教育資金や老後資金の計画は立てているか
・年令によってはリフォームの予算も考えているか
ひとつずつ解説していきます。
完済まで夫婦ともに今と同じかそれ以上の収入が続くのか
住宅ローンは契約時の収入をもとに、借り入れを行います。
が、契約時の収入が完済時まで続くと言い切れるでしょうか。。。
- 想定よりも給料が上がらない
- 産休、育休で年収が下がった
- 転職したら年収が下がった
などなど、収入が減る可能性は誰にでもあります。
特にペアローンの場合は夫婦それぞれで住宅ローンを組んでいます。
ですので、借入時から完済時までの間、長期に渡って二人で決まった金額を返し続けなければいけません。
考え方によっては、かなり住宅ローンに縛られた人生になるとも言えます。
教育資金や老後資金の計画は立てているか
- 子ども一人につき1000万とも2000万とも言われる教育資金がかかる
- 老後2000万円問題
などなど。
住宅資金と並んで数えられる教育資金と老後資金についての計画も並行して考えておきましょう。
住宅ローンの返済で家計を圧迫してしまうと、教育資金や老後資金に回すお金が限られてきます。
過剰に心配する必要はないですが、全体像を把握してから住宅ローンについての判断をするべきです。
基礎知識を仕入れるには、以下の本がおすすめです。
正直どの本もかなり読みやすいですが、「誰も教えてくれないお金の話」はほとんど漫画で構成されています。
なんとなく気になった、読みやすそうと思った本でいいので、せめて一冊目を通しておくことをオススメします。
年令によってはリフォームの予算も考えているか
たとえば30歳で家を立てた場合、男性の平均寿命まで約51年、女性の平均寿命まで57年の期間があります。
タイミング的には、30年のローンを返し終わるぐらいになると大規模なリフォームの必要が出てくるでしょう。
退職金を老後資金にと計画していたのに、リフォーム代で使い切ってしまった...となったら、寂しい老後になってしまいます。。。
リフォームについても計画しておきましょう。
わが家は「10年で返せる家」を建てた
わが家は「いくら借りれるか」ではなく、「10年で返せる金額はいくらか」で考えました。
購入資金をざっくりいうと、頭金500万、借り入れ1200万です。
月10万の返済を10年間で住宅ローン完済となります。
総額1700万円にできたのは、理由があります。
- 家族に土地を譲ってもらった
- そもそも田舎だから安い
- 金銭的な考えが合う工務店を探し当てた
大きな理由の一つは土地を譲ってもらえたことです。
そもそも、土地を譲ってもらう話が出なかった場合は賃貸に済み続けていたか、中古物件購入でリフォームする計画でした。(もちろん10年以内に返せる予算で)
もう一つ、実現できた理由に金銭的な考えが合う工務店さんに出会えたことが挙げられます。
正確には探し当てたというべきですが。。。
住宅展示会や、モデルハウスなど多くの場所に足を運び、多くのハウスメーカーさんや工務店さんとお話をしてきました。
ですがほとんどの人は「その金額ではウチではムリですね〜」の一点張りでした。
契約した工務店さんだけが、返済計画に理解を示してくれ、どうしたら希望の金額で収まるかを試行錯誤してくれました。
「どこで家を建ててもらうか」は当たり前ですがめちゃくちゃ大事です。
言葉巧みな営業や、大きな買い物なので「せっかくなら...」とか「一生に一度の買い物だし...」と流されてしまい、
気がついたら当初の予算から1割増えてた、なんてことにならないようにないように気をつけましょうね。
10年で返せるけど35年で借りておく
がんばれば10年で返せるけど35年の返済期間にしておく、というのも一つの手です。
最初の10年(条件によっては13年)は住宅ローン控除で、住宅ローン残高の1%を上限に所得税や住民税から控除が行われます。
いまは、低金利で住宅ローンの金利は1%以下のところが多いので、実質無利子や超低金利で借りられるというわけです。
将来の見通しが立ってやっぱり10年で返したいとなれば、10年後にまとめて繰り上げ返済すればOKです。
ですが、10年間で家族構成が変わったり、子どもに大きな夢ができるかもしれません。
そうなると、お金の使い方にも変更が生じてそのまま35年でゆっくり返していこうという方向転換も可能です。
毎月の返済額を少なくすることで、教育資金や老後資金、緊急用の貯金などにもお金を回しやすくなります。
住宅ローン控除がいくらになるか気になる人はこちらからシミュレーションしてみましょう。
共働きでも借りすぎない!住宅ローンは計画的に
共働きで住宅ローンを組む3パターンやメリット、デメリット、注意点について解説してきました。
最後にまとめておきます。
・借り入れ希望金額が少ない
・完済まで、同じ条件で働き続けられるか不透明
【債務者と連帯保証人(収入合算)に向いてる家庭】
・借入金額を増やしたい人
・手数料や諸費用は増やしたくない人
【二人とも債務者(ペアローン)に向いてる家庭】
・一人の契約や、収入合算では希望金額に届かない
・完済まで夫婦ともに働き続ける予定
住宅ローンを勢いで借りてしまったり、ハウスメーカーや銀行の言うとおりに住宅ローンを組んで、後悔してしまう人もいます。
住宅ローンは大きな大きな買い物です。
家族の考え、働き方、教育資金、老後資金など幅広い視点から見ることで、浮足立って間違った決断をしないようにしましょう。
繰り返しになりますが、以下のポイントはしっかり抑えておきましょう。
・教育資金や老後資金の計画は立てているか
・年令によってはリフォームの予算も考えているか
共働きだから多く借りられるのは事実ですが、借りる金額が増えるということはリスクも大きくなるということです。
「がんばれば10年で返せる」金額までしか借りないいうのは、ひとつの基準になります。
丁寧に情報を吸収して、ゆっくり考えて、納得できる最高のマイホームを実現してくださいね。